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2017-08-03 19:13:10
いざという時、入居者の保険が切れていた!! 管理会社に責任を追及できる?

本日は、楽待より銀座第一法律事務所弁護士、鷲尾先生の投稿をご紹介させていただきます。

 

Q.入居者が外出中に水漏れを起こしてしまい、その水が他の部屋にも損害を及ぼしていました。修繕費は入居者の保険でまかなわれると思っていたのですが、入居者の方が保険に入っていないことが発覚しました。
管理会社には、必ず入居者は保険に入っていただくようにお願いしていたのですが、契約更新のタイミングで忘れてしまったようです。
約束を守っていなかった管理会社に、この修繕費を請求することはできないのでしょうか?

 

 

入居者の過失による水漏れ事故についての損害賠償義務は入居者にある

水漏れ事故が起きる原因は、建物の老朽化によるものから人為的なものまで様々ですが、水漏れは大抵のオーナーが経験するといってよいくらいよく起きる事故です。
ご相談のケースは、入居者が外出中に水漏れを起こしてしまったというのですから、具体的な事情は分かりませんが、入居者の過失による事故とみてよいようです。
入居者の故意もしくは過失により水漏れ事故が発生し、これにより損害が生じた場合、入居者は、貸主に対しては賃貸借契約上の管理義務違反等による債務不履行として損害賠償義務を負います。
また、他の借主らに損害を与えた場合は、不法行為(民法709条)に基づいて、やはり入居者がその損害を賠償すべき義務を負います。

 

保険加入が契約条件の場合、入居者は保険に加入する義務がある

事故による損害に備えて、オーナーは自分で保険に加入していることが多いでしょう。たとえば住宅総合保険に加入している場合、損害賠償特約が付されていることも多いです。損害賠償特約が付されていれば、保険によって損害賠償金が支払われる可能性があります。
こうしたオーナーのための保険とは別に、最近では、入居者に損害保険に加入することを義務づけていることが多いと思われます。
賃貸借契約において、入居者が損害保険に加入することが賃貸借契約締結の条件とされている場合には、その物件を借りようとする者は、保険契約に加入する義務があります。
保険への加入を契約の条件とすることは、入居者に保険への加入を強制しているようにもみえます。
しかし、保険加入は借主にもメリットのあることですし、かりにどうしても保険に加入することが嫌ならその物件を借りるのを止めればよいだけのことですので、保険加入を賃貸の条件とすることに問題はありません。

 

更新時に保険の継続を確認しないことが管理会社の落ち度となる場合もある

賃貸借契約が更新される場合には、通常はこれに合わせて保険契約も更新しているはずです。しかしご相談のケースでは保険契約は更新されておらず、どうやら管理会社が更新時に保険の継続を入居者に確認するのを忘れてしまったようです。
賃貸借契約の更新の際、管理会社に入居者の保険継続を求めたり確認したりする義務があるかどうかは、オーナーと管理会社との間の管理委託契約の内容によります。
ご相談のケースでは、必ず入居者は保険に入っていただくようにお願いしていた、とあるだけなので、入居者を保険に加入させることが管理会社のオーナーに対する義務であったとまでいえるかは微妙です。
一般的に、管理委託契約では、管理会社は賃貸借契約の締結の補助業務や契約更新業務等を行うこととされていることが多いです。
そうした業務の内容として、賃貸借契約締結や更新の際に、入居者に保険への加入を要求することが管理会社の義務に含まれていれば、過失によりこの義務に違反した管理会社に責任を追及する余地が生じます。
たとえば、賃貸借契約書(通常は管理会社が作成しています)に入居者は保険に加入しなければならない旨の条項が明記されており、管理会社が更新業務をオーナーから委託されている場合などは、管理会社は入居者が保険を継続するかを確認すべきといえるでしょう。

 

本来、保険でカバーできたはずの損害額を管理会社に請求するのは困難

しかし、保険に加入・更新するか否かを決めるのはあくまで入居者です。契約締結時であれば、保険に加入しない入居者に物件を貸すのは断わることもできます。
しかし、賃貸借の更新時に入居者が保険に加入しなかったとしても、オーナーは賃貸借の更新契約を結ばないことはできるでしょうが、その場合でも結局は法定更新ということになり、入居者を退去させることまでは一般的には無理でしょう。
つまり、管理会社が保険の更新について説明していたとしても、入居者が更新しない場合もありますし、そうした場合も賃貸借契約は継続することになります。
結局、管理会社が保険の更新について説明していたか否かにかかわらず、入居者が保険を更新しないリスクは完全には回避できないということです。
また、保険を切らさないようにすることは、まず加入者である入居者が注意すべきことですし、通常は、保険会社から更新の案内も届いているはずです。そうすると、管理会社の確認漏れがただちに入居者の保険未加入という結果に結びつくともいえません。
さらに、入居者が保険に加入していなかったとしても、オーナーは入居者に対し損害賠償請求をすることは可能であり、保険に入っていなかったため即時に損害賠償を受けられないという事態も想定されますが、だからといって、その分をただちに管理会社が負担しなければならないということにもならないでしょう。
もちろん、保険会社が入居者に保険加入を要請していれば、入居者は保険に加入したかもしれません。しかし、それはあくまでそうした可能性があったというにすぎず、要請を怠った管理会社が水漏れ事故による損害を負担すべきということにはならないと思われます。
管理会社に何らかの責任を追及するとすれば、管理委託契約上の義務を果たさなかったことによる管理報酬の減免にとどまると考えます。

 

結論

○管理会社に損害賠償請求できる率:約10%
今回のご相談は、参考となるような裁判例もなく判断が難しいですが、管理会社に責任を問うことのできる可能性は高いとはいえず、10%程度ではないかと思います。
賃借人に損害保険に加入してもらうことは、オーナーのリスク回避のために大切なことですが、万一に備え、オーナーとしても自ら保険に加入して不測の事態に備ええておくことが必要なことと思われます。

 

参照:楽待新聞