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不動産投資のノウハウ

賃貸物件の入居率は95%を目指すべき?計算方法や改善方法を解説


目次

    不動産経営で重要となる指標の一つが「入居率」です。入居率によって物件の収益性が変わるため、購入前の慎重なチェックが必要です。また、入居率の計算方法は複数あるため、それぞれの特徴を理解して俯瞰的に精査する必要もあります。

    本記事では「入居率の計算方法」や「入居率アップのための改善方法」を解説します。不動産経営を検討している方は、本記事で物件選びのコツや運用方法を知り、安定した不動産経営の実現につなげましょう。

    入居率の基礎知識

    安定した不動産経営を実現するために、まずは入居率の基礎知識をおさえる必要があります。入居率について詳しくなると優良物件の目利きができるようになるため、以下の項目で詳しく解説します。

    入居率とは

    入居率とはアパートやマンションの総戸数に対する入居数の割合を意味します。たとえば総戸数10戸のアパートのうち8室に入居している場合、計測時点の入居率は80%です。

    一方で、総戸数に対する空室数の割合を空室率と言います。入居率と空室率は相反する関係にあり、入居率が80%の物件の場合、空室率は20%です。

    不動産投資で入居率が重要な理由

    数値が高いほど家賃収入が増加し不動産の収益性が高くなるため、入居率は不動産経営の成功を左右する重要な要素です。

    たとえば総戸数40戸のマンションで1部屋の家賃が10万円の場合、入居率と家賃収入の関係は以下の表の通りです。

    入居率月の家賃収入
    100%400万円
    80%320万円
    50%200万円

    収益物件を購入する際はローンを組むのが一般的ですが、入居率が下がり家賃収入が減ると、ローンを返済できなくなる恐れがあるため注意が必要です。

    安定した不動産経営を行うためには、入居率の低下をおさえる施策が欠かせません。特に賃貸需要が低いエリアの物件や築年数が経過した不動産は、そうでない物件と比べて、入居率の低下に繋がる要素をより多くはらむため、細心の注意を払う必要があります。

    なお、東京都の平均的な入居率は90%程度です。空室率の平均はエリアによって異なるため、購入を検討している不動産が所在するエリアで目安となる入居率を調べてみましょう。

    入居率の3つの計算方法と注意点

    入居率には以下の3つの計算方法があります。

    • 時点ベースでの計算
    • 稼働ベースでの計算
    • 賃料ベースでの計算

    不動産の収益性を正しく判断するには3つの計算方法の違いを理解する必要があるため、以下の項目で注意点とともに詳しく解説します。

    時点ベースで計算する

    時点ベースでの計算とは入居率を計測した「時点」における総戸数に対する入居数の割合であり、計算式は以下の通りです。

    • 時点ベースの入居率 = 1 ー 時点空室率
    • 時点空室率 = 空室数 ÷ 総戸数

    たとえば総戸数40戸のうち5戸が空室の場合、時点ベースの入居率は以下の通りです。

    • 5戸 ÷ 40戸 = 0.125(時点空室率)
    • 1 ー 0.125 = 0.875(時点ベースの入居率)

    上記の例の通り、時点ベースの入居率は87.5%となります。時点ベースの入居率は計算がシンプルであり、不動産の入居率を求める際に最も多く使用される計算方法です。

    稼働ベースで計算する

    稼働ベースでの計算とは年間の稼働日数に対する入居日数が占める割合であり、計算式は以下の通りです。

    • 稼働ベースの入居率 = 1 ー 稼働空室率
    • 稼働空室率 = 空室日数 ÷ 稼働日数

    たとえば以下のような条件でシミュレーションするとします。

    • 総戸数:40戸
    • 空室:5戸
    • 空室日数:50日
    • 運用日数:365日

    上記の条件で計算した稼働ベースの入居率は以下の通りです。

    • (5戸 × 50日) ÷ (40戸 × 365日) = 0.017(稼働空室率)※小数点第四位四捨五入
    • 1 ー 0.017 = 0.983(稼働ベースの入居率)

    稼働ベースの入居率は98.3%となりました。事例ではすべて同じ空室日数で計算しましたが、実際は入居日が異なるケースが多く、計算はさらに複雑になるため注意が必要です。

    賃料ベースで計算する

    賃料ベースでの計算とは年間の満室賃料に対する実質賃料の割合であり、計算式は以下の通りです。

    • 賃料ベースの入居率 = 1 ー 賃料空室率
    • 賃料空室率 = 空室賃料 ÷ 年間賃料

    たとえば以下のような条件でシミュレーションするとします。

    • 総戸数:40戸
    • 1室の賃料:月額10万円
    • 空室:5戸
    • 空室月数:2ヶ月
    • 運用月数:12ヶ月

    上記の条件で計算した賃料ベースの入居率は以下の通りです。

    • (5戸 × 10万円 × 2ヶ月) ÷ (40戸 × 10万円 × 12ヶ月) = 0.021(賃料空室率)※小数点第四位四捨五入
    • 1 ー 0.021 = 0.979(賃料ベースの入居率)

    賃料ベースの入居率は97.9%となりました。

    事例ではすべて同額の賃料で計算しましたが、実際は部屋の階数や大きさによって賃料が異なるケースが多いため計算はさらに複雑になります。

    入居率の考え方と注意点

    入居率の計算や表示に定義・義務はなく作為的に入居率をアップさせている可能性があるため、不動産会社が掲載している物件の入居率は注意して見る必要があります。

    前述の事例のように「総戸数40戸・空室5戸」の同条件で計算したにもかかわらず、入居率には以下のような差が出ています。

    • 時点ベースの入居率:87.5%
    • 稼働ベースの入居率:98.3%
    • 賃料ベースの入居率:97.9%

    上記の中から最も高い入居率を採用して掲載することも可能です。また、退去後の原状回復工事期間中は計算に含めないとして表記していた事例もあるため、掲載されている入居率が適正な数値とは言えない場合もあります。

    物件購入を検討する際、掲載されている入居率だけに惑わされずに物件を選択できるよう、どのように入居率を計算しているのか不動産会社から説明を受けましょう。もし説明がない場合は質問して根拠を明確にする必要があります。

    入居率の高い物件の特徴と改善方法

    不動産経営では築年数の経過や外部環境の変化の影響を受けるため、購入時の入居率がその後も継続するとは限りません。

    万が一入居率が低下した際は、改善策を講じる必要があります。

    以下の項目では入居する方が多い物件の特徴と入居率の改善方法を解説します。

    賃料などの設定が適切

    収益物件を探している方は周辺の物件と比較検討するため、周辺相場と比較して賃料が高く設定されていると入居率が下がる恐れがあります。一方で、立地環境や部屋のグレードを加味して割安感があれば、入居率は高まると予想されます。

    ただし、むやみに賃料を下げると利回りが下がるためバランスが重要です。実際は賃料よりも敷金や礼金、保証料などを見直して入居しやすい環境を作るケースが多い傾向にあります。

    共用部や外観が美しい

    共用部や外観が整備されていると収益物件を探している方に良い印象を与えられます。内見時は室内だけでなく、共用部や外壁も見られていると考える必要があります。

    共用部が暗かったり汚れていたりすると物件に対して悪い印象を持たれてしまうため、定期的に清掃を行いきれいな状態を維持するのが大切です。

    また、外壁塗装をすると見た目が良くなるだけでなく、建物の耐久性も向上します。資産価値を維持するためにもメンテナンスを怠らないようにしましょう。

    賃貸需要のある立地にある

    一般的に人口が集中する首都圏や関西圏、都市部の人気エリアや人口増加率が高いエリアは入居率が高く、将来的にも安定した需要が見込まれます。

    駅やスーパーまでの距離が近いなど、利便性が高い立地にある物件は入居者にとって魅力的であるため、家賃を相場より高く設定しても入居が決まりやすい傾向にあります。

    ただし、駅からの距離がすべてではありません。地方などは車社会であり駅から近いよりも商業施設や学校、病院が近くにあるほうが人気の場合もあり、首都圏や関西圏でも駅の利用者や規模によって需要は異なります。

    立地は物件購入後に変更できないため購入前にエリアの需要をリサーチして総合的に判断しましょう。

    内装のデザイン・設備が整備されている

    築年数が経過すると、内装や設備の劣化が目立つようになります。部屋が汚れている、設備が古いといった状態では入居者が決まりにくくなるため対策を考える必要があります。

    築年数が経過している物件でもハウスクリーニングやクロスの張り替え、設備の交換です。定期的にハウスクリーニングを行うときれいな環境が保たれ、内見時の印象が良くなります。

    クロスの張り替えや設備の交換では古い印象を与えない工夫が重要であるため畳をフローリングにしたりシステムキッチンを導入したりと時流やトレンドを意識する必要があります。

    また、追い焚き機能やTVモニター付きインターホンはファミリー世帯や女性に人気であるなどターゲットによっても好みは異なるため、ターゲットとする入居者に合わせた適切なメンテナンスが大切です。

    まとめ

    入居率の計算は「時点ベース」「稼働ベース」「賃料ベース」の3つに分けられます。

    入居率の計算方法を理解し、検討する物件の入居率を適切に見極められるようにしましょう。

    不動産経営では築年数の経過や外部環境の変化の影響を受けるため、高い入居率が継続するとは限りません。高い入居率を維持するためには、入居率が低下する原因をおさえて適切に対処する必要があります。

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